若草山に引き返してみると、観光客がすでに集まっていた。
南の端にはお社があって、そこで、東大寺・春日大社・興福寺の3寺を代表した荒法師が
神事を執り行っているとの事だった。
駆けつけてみたかったのだが、既に人だかりが多く、近づいても絵が撮れそうにないので、泣く泣く山の中央部の開いた所に三脚を立てて、山焼きに備える事にした。
望遠で見てみると、中央の三人が互いににらみ合っていて、緊張感が演出されている。
その後一行は、山麓に設けられた護摩壇に向かい、たいまつの炎を移す。
ちょうちんには、3つの寺の名が記されている。
火がくべられ、炎が燃え上がった。この炎をそれぞれのたいまつに移して、山焼きの点火に使われるのである。
いきなり、山の向こうから、花火が上がった。
この花火がひとしきり上げられると、中央の消防団員によって、合図のラッパが吹き鳴らされ、狼煙とともにいよいよ点火、山焼きが始まるのである。
※シリーズ、つづきます。