本坊は、本堂の正面にある、大講堂、書院の連なる場所だが、この裏手の山も、紅葉が美しい。
日の入り前に、少し日が射して、秋の夕方の雰囲気がよかった。
舞台から望遠で撮っているので、近く見えるが、紅葉の山は、参道の向かい側に見えた
色鮮やかな山だったのかも知れない。
だとすれば、計算された木の植え方だ。
日が暮れて、相当暗くなってきても、まだまだ観光客は残っている。
このくらいの明るさと、本堂のほの暗さと、人の数がちょうど心地よいので、当然かもしれない。
熱心な参拝の方が多いので、本堂内部から廊下を通して外を眺めるこのアングルに
人影が入らなくなるのは日没後少し経ってからとなる。
さすがに暗くなると、足元がおぼつかなくなるので、人影はなくなるが、回廊脇の小寺院では
般若心経の読経が大勢の僧侶によって行われていた。
その数は、およそ30名ほどだろうか?
どこにこれだけの、と思うほどの声量で、夕闇のなかをお経が流れてくる。
ハタハタと、草履の音も静けさの中では心に染み入るような、そんな長谷寺の夜の始まりであった。
※シリーズ、おわりです。
ご覧頂き有難うございました。